脱原発運動

脱原発の「5の理由」

1.いったん事故が起こると放射能災害が起こり、取り返しがつかない 。

原子核の核分裂反応を利用して電気をつくる原発では、重大事故が起こると放射能災害が起こり、取り返しがつきません。①スリーマイル原発では人為エラーや設計ミス、故障などが重なった結果、熱による蒸発で急速に水が失われ、炉内が空焚き状態になり、炉心が溶融した。②チェルノブイリ原発ではコントロールに失敗し、爆発事故が発生しました。③福島原発では地震と津波により原子炉を冷やすことが出来ず、メルトダウンが起きました。
また、地震、火山噴火、戦争やテロによる襲撃など、事故の原因となる危険が多くあります。
このまま原発の運転を続ければ、またいつ次の大事故が起きても不思議ではありません。

2.「使用済み燃料」の処分方法がない。

原発を動かしている限り、さまざまな放射能のごみが大量に発生し続けます。それら放射性廃棄物の中には10万年以上も隔離が必要なものも存在し、このままでは後世にゆだねる「負の遺産」がますます増える一方です。地下300m地点に埋めるとしていますが、地震大国の日本に安全な場所などありません。未来の子孫への負担をかけるわけにはいきません。

3.原発は生命と健康をむしばむ。

原発は、事故がなくても、また稼働していなくても多大な被害をもたらします。原発の中では、元請け-中請け-下請け-孫請け-ひ孫請けと何重にも差別された多くの労働者が働いています。そして被ばく全体の95パーセント以上が、「電力会社の社員以外」の人たちの身体で起きています(平常運転時)。
原発だけでなく、ウランの鉱山や使用済み燃料の再処理工場においても、大勢の人たちが放射線を浴びながら働いています。労働者の被ばくなくして、原発は動きません。
また、原発周辺の住民は、原発により健康を蝕まれている可能性があります。

4.原発はコストが高い。

現在コストに算入されていない事故の損害賠償保険料、10万年以上の放射性廃棄物保管料、原発交付金などを考慮すると原発はとてつもなくコストが高いというのは明らかです。
安いのは、ランニングコストだけで、安全基準の強化などにより初期の建設コストも上昇しており、今や「原発は高い」は、世界の定説となっています。福島事故の補償費や廃炉費用で20兆円を超える費用が掛かっていると言われています。

5.原発は環境破壊の元凶

発電時のロスはきわめて大きく、発生した熱の65パーセント以上が温排水として海に捨てられ、海温を上昇させ地球温暖化の要因の一つです。1秒に70トンの海水の温度を7度上げて放出されます。また原発は、電力需要の変化に合わせて出力を変えられないため、出力調整用の発電所が必要となります。つまり原発を動かすために、火力、水力などの発電所が余分につくられています。また効率が非常に悪い揚水発電を行っています。原子力は環境破壊をもたらすだけでなく、エネルギー源としてたいへん無駄が多く、省エネルギーに逆行する存在なのです。

「原子力の平和利用」などというのはもはや過去のお題目に過ぎません。
福島第一原発での原子力の暴走と広島・長崎での核爆弾の被害を経験した日本がそんな言葉を使うことは許されません。
私たちの英知を結集して「脱原発」のモデルをしっかりとつくり、憲法前文に掲げた「国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う」願いを実現し、地球人類に貢献するのが日本の進むべき道だといえます。