オーストリアの原発

オーストリア

Autstria

70年代に建設を始めた「ツヴェンテンドルフ原発(建設費10億ユーロ)」完成直前に実施された国民請願「原子力のないオーストリア」への約25万人の署名および1978年11月に実施された国民投票での50.47%が反対という結果を受け、1999年に国民議会が憲法律「原子力のないオーストリア」を議決した。

ツヴェンテンドルフ原子力発電所のその後

廃炉後のツヴェンテンドルフ原子力発電所はその後、数奇な運命をたどることになる。同施設の活用策として、ハリウッド・アクション映画のロケ地、ディズニーランドのような遊園地など様々なアイデアが出された。オーストリア出身の芸術家フンデルトヴァッサーはこの施設を博物館(“The Misguided Technology Museum”)にしてはどうかと提案したそうである。一時はオーストリア警察学校の研修施設として使用されたこともある。また、同型の原子炉を運用するドイツ等他国の原子力技術者にとって、原子炉内部の構造を実際に見ることのできるツヴェンテンドルフは絶好の研修施設となった。福島第一原発事故後にドイツが脱原発の方針を決定する2011年までは、ツヴェンテンドルフの施設はドイツの原発技術者によってフルに活用されていたそうである。
現在、この「元原発」はオーストリアの非原発・脱原発政策の象徴となり、各国から見学者が多く訪れる施設となっている。電力会社と地元の人たちとの共同事業で元原発が、新たに太陽光発電基地としても動き出した。

欧州司法裁判所(ECJ)への提訴(英国・ハンガリー)

2015年に英国のヒンクリーポイントC(Hinkley Point C)原発および2018年3月22日には、隣国ハンガリーの原子力発電所拡張計画を欧州連合(EU)が承認したことについて、欧州司法裁判所(ECJ)に提訴した。