トルコの原発

 

 

 

トルコの原発
Turkey

トルコには、現在のところ原発は1基もありませんが、アックユではロシアが建設計画を進めています。
シノップスでは、日本がトルコと契約を結び建設を準備中でしたが建設計画を断念しました。
地震大国であるトルコに原発を設置する計画に、多くの市民の反対運動が起こっています。

【トルコの原子力発電所建設計画】

人口7,562万人。北大西洋条約機構(NATO)に加盟、欧州連合(EU)に加盟申請中。 トルコの原子力発電所開発計画は1968年から開始され、2023年までに原発を3カ所で建設し、国営電力のトルコ発送電公社(TEAS)は、地中海沿岸のアックユAkkuyuと、黒海沿岸のシノップSinopに発電所を建設することを計画したが、立地サイトや財政上の問題で計画を凍結されていました。経済成長を背景に電力需要が急拡大しており、20年までの電力需要の伸びを年率最大7・5%と予想、供給力拡大が必要と判断し、原発建設計画を再開しました。

【シノップ(Sinop)原発】

シノップは欧州とアジアをつなぐ玄関口として知られるクアランプールの西約500キロ、同国最北端に位置する黒海沿岸の都市です。 19年の運転開始をめざす。シノップの原発計画をめぐっては、10年末に日本が優先交渉権を獲得し、東京電力と東芝が受注する可能性が高まっていましたが、3・11以降、東電が撤退し、事実上ストップしました。
2013年5月3日、トルコ首相レジェップ・タイイップ・エルドアンと日本首相安倍晋三の間で一括事業請負後譲渡方式(英語版)に基づく計画の契約が調印された。220億USドルの計画であり、三菱重工業とアレバの合弁企業であるアトメアが開発した第3世代加圧水型原子炉、ATMEA 1(アトメア1)が4基建設される予定です。
日本からは、三菱重工業と伊藤忠商事が発電所を建設する予定であり、発電容量は440万キロワットを見込んでいます。フランスの電力企業エンジーが原子力発電所の運営を担当することになっており、トルコ発電会社が20%-45%の株を保有する予定です。
1号機は建国100周年に当たる2023年からの稼動を計画しており、4基すべてが稼動を始めるのは2028年を想定していましたが、建設費が二倍以上ふくらむことなどから難航しています。

2018年12月6日の朝日新聞朝刊によると、「トルコに原発輸出断念へ」として、事業費がかさむため、日本政府と三菱重工は原発建設計画を断念する方向でトルコ政府と調整に入ったとのことです。
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【アックユ(Akkuyu)原発】

地中海沿岸のアックユ原発建設計画で、2010年6月にロシア企業ロスアトムが受注の契約締結され、12月に首都アンカラで「アックユ原子力発電株式会社」が設立されました。 ロシアにおける新しいテクノロジーといわれる第3世代のVVR-1200が採用され、1号機の建設は2016年に開始、2020年から2022年にかけて4基の原子炉を稼動させる予定です。

 【トルコ原発建設の問題点】

2012年の地震は、99年にトルコで発生したM7.6の大地震(死傷者2万人)以降12年ぶりに発生した大規模地震です。トルコ北西部で起きたが、今回の地震は南東部で発生しました。震源の位置が予測しない場所に大きく移動しました。地盤が不安定な断層地帯に位置するトルコは、地球上で地震活動が最も活発な国家の一つとされています。実際、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は最近、世界で最も地震の危険が高い原発として、トルコがロシアとともに推進する「アックユ」原発を挙げています。また、「日本の原発も不安だ」として反対世論が激しくなっています。

【トルコは地震国です】

1999年8月17日、トルコ北西部で発生。マグニチュード7.8の地震。
2011年10月23日にトルコ南東部で発生。マグニチュードは7.2。
2011年11月9日再び東部でマグニチュード5.7の地震が発生。
マグニチュード5.5以上の地震の頻度(1980年から2000年にかけての20年間の年平均回数)を見ると、
日本は年1.14回であり、中国の2.1回、インドネシアの1.62回、イランの1.43回に次ぐ、 世界第4位の地震大国となっています。
1990年代には年間 300件ほどだった地震が、2016年には「年間2万件」を大きく超えるようになっており、そして 2017年は過去最大の地震の回数を記録していたのです。